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建築物は、必ずしも窓をもたなくてもよい、床も天井もなくてもよい、しかし屋根だけはなければならないことになっています。その屋根を瓦で葺くケースが多いのですが、なぜ瓦が多いか、それは日本の風土に一番適しているからです。雨が降っても音がしない、真夏の暑さにも焼け込まない等、いろいろなメリットがあります。屋根から瓦をなくしてしまったら、日本の景観は大きく変わってしまうでしょう。 瓦は古くから使われ、受け継がれ、現在も使われ、将来もなお使われると考えます。 昔の建築物は雨、風がしのげればいいという考えで建てられていましたが、今日迄にいろいろと工夫され、変化してきました。窓を例に考えてみますと、障子からガラスへ、またガラス戸からサッシ、今ではサッシも二重とかペアサッシといったように、冬場暖かく夏場涼しい高気密高断熱住宅が考えられ、実用化しています。家の中身は考えられていますが、屋根(野地板)の上についてはあまり気にしていないようです。板金、コロニアル等屋根面に密着している屋根材は少し年数が経過した後、はがしてみると板が傷んでいます。また瓦に比べて品質の保証対応年数が短くなっています。その点、陶磁器は(土葺きをやめてから)長期保証ができます。また、下地と瓦との間に空気の通り道ができるため、常に乾いた状態を保つことができ、家の耐久性のも一役かっています。 そこでわれわれ「トライアングルネットワーク甍」は、現在使用されているすべての瓦の使い方を明確にし、文化遺産ともいうべき瓦と瓦屋根を再認識する上において、この仕様書を作成し、この地方に合った施行をしていきたいと考える次第です。